※2022四カ村の祭礼レポート①からの続きです。
香取神社の御霊を遷した各神輿は、それぞれの町に戻り、いよいよ渡御開始です。
今回、宮神輿だけでなく初めて各町会神輿もすべて追いかけてみました。
と、さらりと書きましたが、実はこれ、かなり大変なことでした。
というのも、四カ村は宮神輿が欠真間→香取→湊新田→湊の4町を1日かけて渡る祭りですが、宮神輿が来ない時間帯には、各町それぞれ町会神輿を出すのです。
各町とは4町に香取二丁目を加えた5つの町(四カ村は4つの町の祭りですが、自治会は5つあるため)。
つまりメインの祭り(宮神輿)のほかに5つの祭りが同時に行われているような状態。
取材ポイントとして数えれば、宮神輿4町+町会神輿5町で、全部で9カ所にもなるわけです。
これを全部追いかける人なんて、おそらく他にはいないかと…。
でも行徳の祭り専門サイトとしては、一度は全部見ておきたいし、しっかり記録として残しておきたい。
そんな思いで今回は頑張りました。
ではその9カ所の渡御の様子を、時系列でお伝えしていきたいと思います。
①香取(町会神輿)
御霊遷しを終え、神社を最後に出た香取の町会神輿。このときすでに8:30を過ぎていました。
そのまま渡御が始まりましたので、少しだけ撮影しました。
神輿を先導するのはお囃子、続いて香取の高張提灯です。
白装束に茶色の帯が香取の目印です。
香取の宮神輿渡御は10:00から12:00まで。
町会神輿は、それ以外の時間帯の午前と午後に町内をまわるようです。
いつもなかなかガッツリ追いかけられないのが残念なところですが、8:00スタートの宮神輿が気になるので次の欠真間へ移動。
②欠真間(宮神輿)
欠真間は宮神輿のリレー渡御のトップバッターで、渡御の時間は8:00から10:00までです。
御霊入れの後、各町の神輿が境内で揉みを披露し始めたころには8:00を過ぎていましたから、欠真間が境内で揉みを披露せずにそのまま退出したのも、後から思えば納得。すでに渡御開始時間を過ぎていたんですね。
私が宮神輿に追いついたときには、ちょうど欠真間一丁目の神酒所前で行徳揉みを行っていました。
時刻は8:40ごろでしたが、まだ渡御を開始したばかりだったのかもしれません。
神酒所を後にし、行徳街道(旧道)を進む宮神輿。
ピンク色の帯が欠真間の目印です。
神輿を先導するのはお囃子、続いて香取神社の高張提灯です。
交差点では行徳揉みが披露されます。
バイパスを渡る場面は見どころの一つ。
なかなかすんなりとは渡りません。
信号が青になっても、車を待たせて交差点のど真ん中で行徳揉みを続けます。
バイパスを渡り終えたら、欠真間二丁目の神酒所前で揉みを披露し、ここで一旦休憩となります。
私は次の町・香取二丁目に移動しました。
③香取二丁目(町会神輿)
香取二丁目は、香取の中でもバイパスから駅側の地域です。
香取一丁目と自治会が分かれたため、香取の古い方の神輿を借りて町会神輿として担ぐようになりました。
「新しい人が多い地域で、行徳揉みの伝統を伝えられる人がおらず、行徳揉みはきちんと教えないと危ないため、かつては独自に江戸前の担ぎ方をしていた」という話を聞いておりましたが、これまで実際にここの揉みを見たことがありませんでした。
今回は、末広太鼓さんが出発式と最後に演奏をされるという情報もあり、どんな感じなのか気になっておりました。
私が着いたのは、出発式が終わった後。太鼓を片付けてトラックに積み終わったところでした。
その向こうに、行ってしまった神輿が見えます。
神輿に追いついてみると、そこには衝撃の光景が。
江戸前担ぎは今も行われていました…!
町会神輿は比較的自由度が高いとはいえ、これはあくまでも四カ村の祭りです…。
なんだかいけないものを見てしまった気分。
すぐ後ろには子どもの山車も続いているわけで、この子たちには「四カ村=江戸前担ぎ」と記憶されてしまうのかと思うと…複雑な思いです。
担ぎ手の中では、次回の祭りでは「同じ香取として一丁目も二丁目も一緒に揉みたい」という思いもあるようです。
ぜひそうなってほしいと願います。
④湊新田(町会神輿)
続いて湊新田に移動。
駅前公園の近くで太鼓の音を聞きつけ、すぐに町会神輿と子ども神輿の隊列を見つけられました。
先頭はお囃子のトラック、そして湊新田の高張提灯です。
その後に、トラックに載せた町会神輿、そして子ども神輿が続きます。
ドン!ドン!と響く太鼓の音は、神輿と一緒にトラックに載せた行徳太鼓連さんの太鼓でした。
香取二丁目の末広太鼓さんもそうでしたが、こういう祭りでお囃子でない太鼓が響くのは、ちょっと不思議な感じ。
駅前公園に着いたら休憩です。
子どもたちにはお菓子が配られ、神輿をバックに写真撮影する親子もたくさん。
この子ども神輿、よく見ると子どもたちが願い事を書いた短冊がたくさん付いていました。
子どもたちの願いを載せた神輿だったんですね。
休憩後、渡御の再開です。
まずは公園内で行徳揉みの披露です。広々とした公園内での揉みは、開放感があっていいものですね。
湊新田の衣装の帯は、紫色です。
神輿が去った後、
行徳揉みを行った場所の地面には、きれいな円が描かれていましたよ。
湊新田の町会神輿は、今年担ぎ棒を新調して(その紹介記事はこちら)、以前より80㎝長くなりましたので、この円もそれだけ大きくなったということですね。
同時進行で、子どもたちも行徳揉みを習っていました。
公園だと気軽に参加しやすくていいですね。
公園を出た後、路上で再度行徳揉みを披露。
そして再び神輿をトラックに載せ、胡録神社に向かいました。
今回、なぜ渡御の途中でトラックに載せたかというと。
担ぎ手が少なく、体力が持たないからだそうです。
本来担ぎ手は、交代要員を入れると担ぐ人数の3倍は必要といわれています。
四カ村では神輿を20人で担ぎますから、各町で60人は必要になります。
ところが神社や自治会関連の担ぎ手団体は、メンバーが十数人程度というところが多いのが実情です。
つまり足りない分は、違う町から助っ人として入ってもらってなんとか神輿を回している状態です。
ここまでの各町の様子を見ても、担ぎ手は、担ぐ人数の2倍もいない感じ。
交代要員がほとんどいない状態で宮神輿と町会神輿の両方を担ぐわけですから、体力的に持たないのも無理はありません。
湊新田でいえば、この神輿を胡録神社に戻した後、すぐに宮神輿のリレーを引き継ぐことになるわけです。
神輿の担ぎ手不足は行徳に限らず全国的な問題といわれていますが、行徳の中でも特に多くの担ぎ手を必要とする四カ村は、深刻だと感じました。
自称「『神輿のまち行徳』の勝手にサポーター」としては、ぜひ次回は多くの方に参加していただき、地元の伝統文化である祭りを盛り上げていただきたいと願うばかりです。
各町の担ぎ手団体につきましてはこちらのページでご紹介していますので、少しでも興味を持たれた方はぜひ直接お問い合わせください。
連絡先が掲載されていない団体につきましては、こちらからお問い合わせいただければ、お繋ぎいたします。
長くなりましたので、レポート③に続きます。
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