行徳ふれあい伝承館は、7月20日に開館5周年を迎えました。
これに合わせ、同館の運営を担っている 行徳まちづくり協議会 が、7月22日(土)に写真集「後藤神輿とその時代」を発売しました。
昨年7月に発刊した「行徳の歴史と神輿と祭り」(紹介記事はこちら) に続く第二弾となります。
【概要】
※レターパックライトでの郵送可能です(送料全国一律370円、4冊まで同梱可能)。
行徳まちづくり協議会公式サイトのお問い合わせフォームからお申し込みください。
巻頭グラビア
第1章 神輿・山車編
旧後藤神輿店に眠っていた古写真の中から、神輿と山車を中心に解説付きで紹介。
現存する神輿については、現在の写真も掲載しています。
第2章 彫刻編
仏像や仏具、果ては霊柩車まで、神輿にとどまらない後藤の作品の数々を紹介しています。
第3章 暮らし・まち編
古写真に写し出されていた100年前の行徳の風景や人物から、当時のまちの様子や人々の暮らしを垣間見ることができます。
後藤神輿店は、江戸期より堂宮彫刻を生業とした家系で、大正期以降「神輿師・後藤直光」の名を冠し数多くの神輿を世に送り出しました。
後藤直光の真髄である精巧にして重厚な彫刻が施された神輿は、廃業した今も全国の神輿ファンから高い支持を集めています。
今回の写真集制作は、後藤神輿店の旧作業場で大量のガラス乾板が見つかったことから始まります。
400枚を超えるガラス乾板に写し出されていたのは、大正から昭和初期にかけて製作された神輿や山車、彫刻、そして当時の行徳の風景や日常のスナップ写真など、後藤神輿の作品の素晴らしさはもとより、当時の人々の暮らしぶりも伝える資料として大変貴重なものでした。
それが写真集の形になるまでの経緯については本書冒頭に詳細に書かれていますので、そちらをご覧いただくとして、ここでは、そもそもガラス乾板とはどのようなもので、それを今回どのようにして写真集にしていったのか、簡単にご紹介しておこうと思います。
まずガラス乾板についてですが、これは写真乳剤を無色透明のガラス板に塗布したもので、写真フィルムが普及する前に使われていた感光材料だそうです。
写真フィルム同様、明るいところで透かしてみないと見えづらく、また白黒が反転したネガ写真のため、そのまま見ても識別が困難です。
これを、写真フィルムの確認などに使うライトテーブルに載せ、裏から光を当て、浮かび上がった画像を一枚一枚デジタルカメラで撮影していったそうです。
次に、撮影されたネガ画像を、画像処理ソフトを使ってポジ画像に変換。
写真に詳しいメンバーが根気強く進め、皆で検証できる形にしたそうです。
こうして写真を蘇らせた後は、神輿に詳しいメンバーが加わり、作品の判別や特定を進めていきました。
写真の裏を取るために、木更津や松戸、下谷、吉祥寺、そして岩手県奥州市にも足を運んだとか。
編集チーム6人が一丸となって慎重に作業を進め、約1年かけてまとめあげたそうです。
写真は古写真なので解像度が低いのかと思いきや、ガラス乾板はキャビネ版サイズで35㎜の写真フィルムよりも大きい分、情報量もはるかに多いそうです。
実際、神輿を引き取りに来た人たちが着ている半纏の文字や神輿の作人札まではっきりと写し出され、大正から昭和にかけての写真とは思えない鮮明さです。
後藤神輿の魅力を堪能するのはもちろん、神輿を引き取りに来た旦那衆の服装や、でき上がった神輿を運ぶトラックなどにも注目してみたいところ。
100年前の行徳を知る資料としても、大変価値が高い一冊だと思います。
ぜひ多くの方にご覧いただきたいと思います。
後藤神輿については、当サイトに大変貴重な情報が寄せられています。
ぜひこちらも併せてご覧ください。
また、引き続き情報をお待ちしております。
下の各カテゴリをクリックすると、 同じカテゴリのすべてのブログ記事を閲覧できます。
また、その下のボタンをクリックすると記事のシェアができます。
↓↓↓
コメントをお書きください
田中愛子 (火曜日, 25 7月 2023 08:51)
立派に完成、上梓おめでとうございます♪
中台会長、峰崎さんなどの後藤家との触れ合いから発掘された事に不思議な縁を感じています。
わっしょい!行徳 (火曜日, 25 7月 2023 16:57)
愛子さん、いつもコメントありがとうございます。
確かに協議会の皆さまと後藤家とのご縁あってのものですね。
このような立派な写真集を出していただいたことに、一行徳民として心から感謝したいと思います。