11月3日㈷、市川市文化会館で市政施行90周年記念式典が開かれました。
式典は二部制で、第一部は国歌斉唱から始まり、子どもたちの合唱や市長の式辞、市議会議長あいさつ、来賓の祝辞と紹介、祝電披露、名誉市民顕彰といった、いわゆる式典らしい内容の構成でした。
自分は今回、第二部に登場する行徳神輿の取材を目的としていましたので、途中で揉み手の皆さんの控室に移動し、そちらに密着させていただきました。
控室に集まっていたのは各町会や神輿同好会から選抜された揉み手と妙典・本塩のお囃子の皆さん。
本番を1時間後に控え、打ち合わせ中です。
打ち合わせの中で、揉みの前後に行う手締めは「行徳締め」にすることが決まりました。
行徳締めとは「チャチャチャ、チャチャチャチャ、チャ」の三四一の手拍子で、一般的な三三七拍子の手締めとは異なります。
行徳締めというからには行徳地域統一の手締めなのかと思いきや、実は祭礼でこの手締めを行っているのは上妙典と五ヶ町のみ。
その他の祭礼では三三七拍子を使っているので、数でいえば行徳締めを使うところの方が少数派になります。
そこで、この場であらためて行徳締めのコツが伝授され、全員で確認していました。
さて打ち合わせも終わり、自分は第一部と二部の幕間のタイミングで再び会場へ戻りました。
第二部は一部とは打って変わって、エンタメ感満載の構成。
冒頭に、さだまさし親善大使のご子息がリーダーを務める3人組のクラシック音楽ユニット「TSUKEMEN」が登場し、ミニコンサートを行いました。
ヴァイオリンとピアノの美しい演奏で会場を魅了しつつ、楽しい演出で盛り上がりました。
※TSUKEMEN公式SNSはこちら。
続いて、著名人13人からのお祝いのビデオレターが順番にスクリーンに映し出されました。
一人ひとりのビデオレターにつきましては、YouTubeの市川市公式チャンネルに順次アップされていますので、興味のある方はぜひそちらをご覧ください。
続いて市川市民栄誉賞が、2024パリ パラリンピック競技大会 車いすラグビー金メダリストの羽賀理之氏と、女子競泳100m自由形銅メダリストの辻内彩野氏に贈られました。
羽賀選手に関しては、実は5年ほど前に行徳小学校で授業をされたのを取材したことがあり、子どもたちに「次は金メダルを取る」と決意を語られていたのが印象に残っています。
その後の2020東京大会では惜しくも銅メダルとなりましたが、今回のパリ大会では、宣言どおり金メダルを持ち帰ってくださいました。
あらためて市民栄誉賞の受賞おめでとうございます!
さて、ここまでも見応え十分の第二部でしたが、ここからがいよいよ当サイトの取材本番となります。
田中甲市長より「行徳の神輿文化と祭礼」が市川市の無形民俗文化財に指定されたことが発表されました!
実はこれ、前週の行徳まつりでも、市長がフライング発表されてましたけどね(笑)。
「行徳の神輿と祭り」は、昨年も千葉県誕生150周年記念として「ちば文化資産」に追加選定されましたね。
今回は県だけでなく市としても指定されたことになります。
初の行徳出身の市長である田中市長からこのような発表があったのも、大変意味のあることだと思います。
無形民俗文化財の指定に関しては、実は調査の段階において、市川市から当サイトに協力の依頼をいただき、行徳の祭礼情報や画像を提供しておりました。
このときの元となった資料が、2022年に発刊された書籍「行徳の歴史と神輿と祭り」です。
この本は、2020年に当サイトを立ち上げたことがきっかけとなり、行徳まちづくり協議会様よりお声がけいただき、自分が祭りの章の執筆を担当させていただきました。
この本により、それまで行政も町の人たちも把握していなかった行徳のすべての祭りが可視化されたことで、その全容が明らかになり、行政にも注目されるようになったと思っています。
当サイトを立ち上げたことが本の発行につながり、それが今回の指定の一助になったのであれば、こんなにうれしいことはありません。
実はこの本のあとがきのところで、「行徳が『神輿のまち』であることは、近年、地域のイベントや行政・民間のPR活動により、少しずつ認知されてきているように感じますが、その祭りについては、少しおいてきぼりになっている印象があります」と書かせていただきました。
その2年後に、まさかこのような形で行徳の祭りにスポットライトが当たることになるとは思いもしませんでした。
今回の指定をきっかけに、おいてきぼりだった祭りが注目され、さらに盛り上がっていくことを期待しています。
さて、話を戻しましょう。
市長の紹介で幕が上がると、舞台に登場したのは行徳神輿と揉み手、お囃子の皆さんです。
先ほど確認していた行徳締めもバッチリきまり、これからお囃子の演奏とともに行徳揉みを披露します。
天の神様に感謝を捧げる「さし」
地の神様に感謝を捧げる「地すり」
神輿を高く放り上げる「放り受け」
いつも行徳の祭りを追い続けている自分としては、舞台上の皆さんの勇姿を拝見して、うれしさと誇らしさで胸が熱くなりました。
と同時に、揉み手の皆さんからいつもの揉みとは違った緊張感を感じ、こちらまで緊張してしまいました(笑)。
揉み終了後は、市長が音頭を取り、三三七拍子の三本締めで式典を締めくくりました。
この様子はYouTubeに動画をアップしています。
ぜひ併せてご覧ください。
こちらは終了後の控室での揉み手・お囃子の皆さんです。
大事なお役目、お疲れさまでした!
今回、このような形で行徳の祭りが注目されるようになりましたが、大切なのは、この伝統を次世代に継承し続けていくことだと思います。
行徳の白装束の祭りでは、揉み手は男性のみとされるのが主流となっていますが、今年の祭りでは、初めて女性が担げるようになったところもあります。
また近年、かつての揉み手の孫世代や、今の揉み手の子ども世代など若い方の参加も目立つようになり、新しい風を感じています。
今回の指定が、これまで行徳の祭りに参加したことがない方が新たな一歩を踏み出すきっかけとなることを期待しています。
行徳の担ぎ手団体についてはこちらのページでご紹介しておりますので、興味のある方は、連絡先が掲載されている団体につきましては直接お問い合わせしてみてください。
またどこに連絡したらいいかわからないという方には、ご紹介もさせていただいておりますので、こちらからお気軽にお問い合わせください(その際は、お住まいの町名と白装束・江戸前どちらがご希望かもお知らせください)。
祭りを行っていない地域の方も参加できますよ。
※ご紹介は随時可能ですが、これから祭りはシーズンオフとなりますので、実際の活動は来年秋以降になるかと思います。
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田中愛子 (日曜日, 10 11月 2024 21:38)
90周年記念式典に関して江口さんの丁寧かつ誠意と熱のこもったReportがわが町行徳全体の素晴らしさを神輿と白装束の男衆で見事に締め括れた大成功の後あと残る大切な記録となりました♪
さらに言えばこの快挙が市川市をどこに出してもアピール出来る一番の目玉名物です。ただ広報やスマホ用のお知らせに、無形民族文化財にかんしての通達が薄いです。行徳全体の市民にこの快挙の重みを感じて今後の意識改革に繋がらないものでしょうか?折に触れて拡散して行かないと勿体無いです、。
わっしょい!行徳 (日曜日, 10 11月 2024 22:13)
愛子さん、いつもコメントありがとうございます。
行徳民にとって、誇らしい式典となりましたね。
市の広報や行徳新聞などのメディアには、これから登場すると思いますが、意識改革となると、なかなか難しいものがあるかもしれませんね。
微力ながら、地道に発信し続けていこうと思っています。